ブレーキ(フルード漏れの原因)
最近多い傾向にある
「キャリパーからのブレーキフルード漏れ」
原因として考えられる一つに「ピストンの錆」があります。
昔々、私がメカを始めたばかりの頃(笑)は、ブレーキ関連のゴムパーツ、マスターシリンダー内部の部品やキャリパーのシール類、ドラムブレーキのホイールシリンダーのカップと呼ばれるゴムの部品等は、車検の際に交換しなければならない部品でした。
ですので2年に1回は分解して交換していたんです。
因みにブレーキホースは車検2回に1回でしたから4年毎
だったと思います。
何分古い記憶なので若干の相違はご勘弁願います。
さて、今は車検制度(内容)もかなり簡素化されて、良くも悪くも良い時代になったと思います。
ここからが本題
先ずは画像を
ご覧の通り、ピストンに錆が見て取れると思います。
左側のピストンに掛けられている、黒い輪ゴムのような物がシールです。
ブレーキを踏むと、このシールでフルードを受け止めてピストンを押し出し、パッドをローターに押し付けて、走行エネルギーを熱として変換して減速させる訳ですね。
ところが、ココに錆が発生すると侵食により「段」が発生してフルードがココから漏れてしまい、最悪ブレーキが効かない状況になるわけです。
大抵の場合、ホイールが汚れてきたりするのでクルマ好きの皆さんは洗車の際などに発見されますが、冬の寒い時期になると洗車も億劫になりがちで発見が遅くなったりしますのでご注意下さい。
発見が遅れると、ブレーキフルードは塗装を侵食しますのでホイールの塗膜の剥がれなどを誘発してしまいます。
話がそれましたが元に戻します。
じゃあ、何故ピストンが錆びるのか?と言えば、先の理由、所謂ブレーキの分解が車検の際に省略された事が一番のような気がします。
ピストンの部分にはシールの他に「ダストブーツ」と呼ばれるゴミや水分を浸入させ難くするゴムブーツが取り付けられています(レース用を除きます)。
如何せんタダのゴムブーツですから経年で傷んできますし、完全密閉されているわけではないので多少の水分は入ってしまうわけです。
また、ブレーキの性質上、ホイールの回転方向に対して一方方向にしか入力(ブレーキ作動時)しない事と、作動上ピストンが回転することは無いので一部分のみにピストンの磨耗が生じ易い事も要因かと思われます。
漏れが発生(発見)し易いのは、ブレーキパッドを交換した際です。
磨り減ったパッドを新品の厚みのあるパッドに交換する為に、工具を使用して押し出されているピストンを元に戻す作業が必要です。
ここまで書くと勘の良い方は既にお気付きかと思いますが、
錆はシールより外側に発生し易く(内部はフルードで満たされており外気に接触し難い)ピストンを戻した際に錆の部分が運悪くシールに乗ってしまうと「漏れてくる」事になります。
パッドを交換しただけなのに、
前は漏れていなかった、
なんて言わないで下さいね。
もれる理由のひとつがコレです。
樹脂製のピストンも存在しますが、その場合は錆よりも磨耗(変形)が注意です。
ブレーキ関係に関しては予防整備をお勧めします。
経過年数も考慮し、(勿論予算も)タイミングを見て手を入れて下さい。
ブレーキの不具合は最悪「他の人に迷惑をかける可能性が大」ですから。
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